コロナ禍、海外在住者の悩み
コロナの影響がいつまで続くのがわからない状況下、フィレンツェ在住の日本人の友だちや知人が次々と日本に帰国したり、帰国を予定したり、考えたりしています。
フィレンツェは観光の街ゆえ、日本人のフィレンツェでの仕事といえば、ガイドなど観光にかかわる仕事がほとんどです。
コロナの影響で日本人観光客がゼロになった今では、観光関係の仕事もゼロです。
今年3月の時点では、「夏ころになったら、日本人旅行者も戻ってくるかも」と予想がされていました。
イタリアがロックダウンになり、4月ごろには「9月くらいになったら日本人観光客も戻ってくるかも」といわれていました。
ロックダウン緩和された5月ごろには、「今年はもう日本人旅行者はこない。来年になったら来るかも」といわれていました。
そして、夏ごろになると、「来年いっぱいも日本人旅行者はこない」といわれ始めました。
これらは、あくまでうわさで、根拠はありません。
収入がなくなった人たちの中には、見切りをつけて、すでに帰国した人もいます。
「夏ごろになったら」「9月になったら」といわれていたころに「今仕事がなくても、そのうち仕事があるだろう」と思って待っていた人たちが、ここになって、帰国を予定していたり、考えたりしています。今年と来年は、仕事がないだろうということが明らかになってきたからです。
完全に日本に帰国するなら、なにもかも捨てたり解約したりしてしまえばいいのですが、コロナが落ち着いてまたイタリアに戻ってくることを考えている人にとっては、けっこうやっかいです。
やっかいなポイントは、以下です。
●今住んでいる家を出たら、住民票をどこに置いておけばいいのか?
放置しておいても、税金を滞納していない限り、だれも追いかけてはきません。私の知人でも、住んでいる住所とまったく別のところに住民票があるという人はたくさんいます。
でも、出ていくときに住民票を置いておくのが不安な場合は、知り合いの住所に住民票を移したほうがよさそうです。
住民票を移すと、新しい住所にコントロールが来ますので、帰国直前ではなく、日程に余裕をもって住民票を移しておかなければなりません。
住民票を移すと、保険証も変更しなくてはなりません。
保険証を変更するために手続きに行かなくてはいけません。
●届く郵便物をどうするか?
郵便局の転送サービスを利用して、知り合いのところに転送するか、もしくは郵便局留めにしてだれかに定期的に取りにいってもらうか、です。
●銀行口座を解約するか?
イタリアの普通の銀行は、口座を持っているだけでお金がかかります。
毎月、口座を所有するための銀行側からの手数料がかかります。それに加えて、口座所有に対して、税金もかかります。
銀行口座を持っていると、その銀行のクレジットカードが利用でき、クレジットカードの年間費がかかります。
使わない口座を開けておくには、無駄な費用になります。
最近は、オンライン銀行が出てきたので、それに乗り換えれば、費用はなくて済みます。
●滞在許可書はどうするか?
永住権のある滞在許可書を持っていても、6年間イタリアを離れていると無効になります。
数年に1度イタリアに戻ってくれば権利を失わずに済みます。
そのほかにも、荷物をどうするか、ということもありますが、だれかのところに預けておけばいいので、そんなに問題にはなりません。
帰国する際に、エキストラチャージを払って、スーツケースを増やして必要なものを持ち帰り、必要だけど急がないものは船便で送れば済みます。
別の仕事に転換して、なんとか細々生き延びている知人もいます。
私もその一人。。
私が、帰国する友人にできることといえば、局留めの郵便物を取りに行くことと、荷物を預かることくらい。
早くコロナが収束して、以前のようなフィレンツェになりますように。。