チーズ工場見学
昨日、ペコリーノチーズの工場に見学に行ってきました。
イタリア、トスカーナ州のチーズといえば、なんといってもペコリーノチーズ。
羊のミルクから作られるチーズです。
ペコリーノチーズは、サルデーニャ島とトスカーナ州がイタリアでは名産地で、トスカーナ州では、特にピエンツァのペコリーノチーズが有名です。
ピエンツァは、ユネスコの世界遺産にも指定されているルネッサンスの街。ピエンツァの周りには、これまた世界遺産のオルチャ渓谷が広がっていて、周辺の羊のミルクから作られる「ペコリーノ・ディ・ピエンツァ」は、濃厚でミルキー。
チーズ好きなら一度食べたら絶対ファンになるおいしさといってよいでしょう。
コロナ前には、ワイナリーツアーの際に、よくピエンツァに行って、チーズの試食とお買いものをしていました。
ピエンツァで売られているペコリーノチーズは、フィレンツェで売られているものよりもやっぱりおいしい♡
まさに地消地産。
ピエンツァのペコリーノチーズにほれ込んでいたので、「ペコリーノチーズ工場に見学に行きたい」と、以前から思っていました。
その希望がかなって、やっとチーズ工場に見学に行ってきました。
工場は、ピサの近く。
ピエンツァからはだいぶ離れていますが、ピエンツァのミルクを運んできて、そこでチーズを作っているそうです。
ビニール製の割烹着とキャップとマスクを着用して、工場内を見学しました。
まずはミルクを分析し、ミルクを温め、レンネット(凝乳酵素)を加えて、ミルクを固めます。
ミルクが固まってきたら(これを凝乳と呼びます)、凝乳をカットしてかき混ぜます。
このカットの仕方がチーズの製造過程では最も重要といえる大切な工程です。
そして、凝乳と液体を分離します。
分離された液体がホエイ(乳清)です。
このホエイからは、リコッタチーズが作られます。
リコッタチーズは、作ったその日のうちに梱包され出荷されるとのこと😲
そんなにフレッシュなのですね!
次に、凝乳を型に入れます。
ここで作っているペコリーノチーズは、小さいもので1キロ、大きいもので8キロ。種類によって、型の大きさが異なります。
そして、まわりに塩をつけます。(容器の周りに塩がついています↓)
トスカーナ州の塩の産地、ヴォルテッラの塩を使っているそうです。
塩をつけるのは、手作業です。
固まったら、型から外し、塩水につけ、モミの木の棚をななめにして水気をきります。
そして、いよいよセラーで熟成です。
温度管理されたセラーので熟成。
フレッシュなものは20日間、
セミスタジョナート(中くらいの熟成)は、60日間、
スタジョナートは、120日~180日熟成するそうです。
熟成期間に自然のカビがつくので、それを洗います。洗うのも手作業です。
チーズ作りは、けっこう手作業が多いです。
出荷の前に、チーズ表面に加工を施します。それにより腐敗を防ぎます。
オレンジ色をしているものは濃縮トマトペーストを塗っているもの。↓
濃い茶色は、オリーブを液体にして塗っているもの。↓
黒いものは灰を液体状にして塗っているもの。↓
中に具が入っているものもあります。
種類は、ペペロンチーノ、胡椒、ジェノヴェーゼペースト、ピスタチオ、サフラン、トリュフ。
ピスタチオ入り。↓
ジェノヴェーゼペースト入り。↓
具材は、チーズの中に練り込まれます。
棚の上に、藁を敷いて、藁の上で熟成されるものもあります。
通常のセラーで熟成されるもののほかに、洞窟で熟成されるものもあります。(洞窟の見学はありませんでした)
最後にラベルを貼り、出荷されます。
工場見学が終わり、試食タイム~。
左から時計回りに、
オレンジ色の皮=フレッシュ=20日間熟成
茶色の皮=セミスタジョナート=60日間熟成
スタジョナート=120日熟成
洞窟で藁熟成=スタジョナート=180日熟成
トリュフ入り=20日間熟成
感想は、
フレッシュなものは、ミルキーな味でやわらかい。
セミスタジョナートは、少しミルクの味が濃くなっていてまろやか。
スタジョナートは濃厚。
洞窟の藁熟成のスタジョナートは、発酵した味があって玄人向きっぽい味。
トリュフ入りは、トリュフの香りが広がり、特別感。
チーズ工場現地で食べるチーズのおいしさに感動しました!
これらのチーズは、ピエンツァの街にあるチーズ屋さんでいつも買っていたものです。
なので、味は知っています。
お店で買うピエンツァのペコリーノチーズもおいしいですが、チーズ工場で食べたものは格段にまろやかでやわらか。
お店で買うものは、少々乾燥している感じです。
チーズは保存食とはいえ、やはり工場現地で食べるものは格別です。
家で食べる用に、フレッシュタイプのペコリーノ、ピスタチオ入りペコリーノ、 トリュフ入りペコリーノを購入。
リコッタチーズも購入しました。
ミルクを食べているような感じでとってもフレッシュ!
ペコリーノは、これからワインと一緒に食べる予定。
楽しみです♡