イタリア料理~トスカーナ州その3~
「イタリア料理」というものはないと、よくいわれますが、州ごとに異なる食文化、さまざまな郷土料理があります。
今まで、前菜、プリモ、セコンドとご紹介しましたので、今日はドルチェ(デザート)です。
ドルチェ(デザート)
食後のデザート dolceにはアーモンド入り固焼きビスケット「ビスコッティ・ディ・プラート Biscotti di Prato(別名カントゥッチCantucci)」が定番。
「ヴィンサント Vin Santo」と呼ばれる琥珀色の甘いデザートワインに浸して食べるのがトスカーナ風。
ドーム型のスポンジの中に生クリームの入ったズコット Zuccottoもトスカーナのデザート。
リキュールやラム酒の香りのする贅沢な味わい。
細かく切った果物の砂糖漬けやアーモンドを砂糖と小麦粉で固めた「パンフォルテ Panforte」は濃厚かつ強い味わいの平らなお菓子。
日持ちするのでプレゼントとしても喜ばれる。
季節限定のお菓子
1~2月のカーニバル・シーズンに登場する、ほのかなオレンジ風味のスポンジケーキ「スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ Schiacciata alla Fiorentina」が外せない。
10月頃なら、やや重めのパン生地に収穫されたばかりの生の黒ブドウの粒をのせて焼き上げた「スキアッチャータ・コン・ウーヴァ Schiacciata con Uva」をぜひ味わおう。
トスカーナの秋のもうひとつの味覚は栗。
オルチャ渓谷で収穫される「カスターニャ・デル・モンテ・アミアータ Castagna del Monte Amiata」はDOP食品、またムジェッロ地方で収穫される栗「マッローネ・デル・ムジェッロ Marrone del Mugello」はIGP食品に指定されており、イタリアを代表する栗の産地としてトスカーナの名声を高めている。
秋には乾煎りした焼き栗「カスターニェ・アッロースト Castagne arrosto」を売る屋台が道端に現れるので、手軽に頬張って良質な栗の自然な甘みを堪能できる。
またルッカ近郊で生産される栗の粉「ファリーナ・ディ・ネッチョ・デッラ・ガルファニャーナ Farina di Neccio della Garfagnana」もDOP指定を受ける最高級品だ。
新鮮な栗の粉に松の実とローズマリーを加えた、自然な甘みが魅力の素朴なお菓子「カスタニャッチョ Castagnaccio」は、秋のトスカーナを代表するお菓子。
カスタニャッチョをその年の新酒ワイン Vino Novelloとともにいただくのがトスカーナならではの秋の楽しみ方だ。