イタリアのマスク問題
コロナウイルス前は、「マスクは病人が使うもの」という認識だったイタリア。
イタリアにまだコロナウイルス感染者が発見されていなかった時期は、マスクをしているとみんなに避けられる状態でした。
それが今では、外出時はマスクの着用が義務付けられています。
イタリア国内では、マスクを生産していないため、すべて輸入にたよっています。
近々、Made in Italyのマスクも生産、販売されるそうです。
マスクが必需品となった今、いろいろとマスク問題が起こっています。
まずは、マスク不足。
マスクは薬局で売られていますが、いつも売り切れ状態でした。
薬局で売られているマスクは、EUの規定である基準を満たしている「CE」マークのある製品でないといけません。
マスクの種類は、まずは、いわゆるサージカルマスク。
3層になっているもので、外科手術の時に使われるので、こう呼ばれています。
日本で一般的に使われているのは、このタイプですよね↓↓
サージカルマスクは感染から守るためのものではないので、感染から守るFFP2や、FFP3のマスクも売られています。
私は使ったことがないですが、町なかではけっこうこのFFP2、FFP3を着用している人を見かけます。
私が薬局に行ってもいつも売り切れなので、みんなどうやって手に入れているのでしょう。。
日本でも売っているのかな、と調べてみたら、ありました。
FFP2
5月4日のロックダウン緩和以降は、薬局でのサージカルマスクは、1枚税込61セント(約70円)になるはずだったのですが、これは「入手不可能」と問題になっています。
そして、一番問題になっているのは、マスクの不正取引。
私の好きなテレビ番組の「レポート」では、最近はコロナウイルスの話題を取り上げています。やはりマスク問題も取り上げていました。
「レポート」は、ビデオオジャーナリストのグループが、テーマにそって取材をし、問題提起するという番組です。
私は、主幹ジャーナリスト兼司会者のシグフリド・ラヌッチが好きで、この番組を見ています。
イタリアのテレビ番組の司会者は、早口でどなるように話す人もけっこういるので、聞いていて疲れます。
でも、彼は、ゆっくり静かに話すので、聞きやすいので、落ち着いて聞くことができるからです。
彼だけではなく、番組自体も好きです。
徹底的に取材をしていて、詳しく事柄がわかるのと、観覧者がいないというところが好きです。
観覧者がいると、いろいろな人がいて、見ていて疲れます(笑)。イタリアのテレビは、けっこう観覧者を映すので。スタジオは司会者一人なので、取材ビデオに集中できます。
私のレポート熱の説明はこのへんにしておいて、、、
「レポート」で取り上げていたマスク問題は、イタリア市民保護局と契約していた業者が輸入したマスクが、契約していたマスクとは異なっていたということです。
契約書に書かれているのは、EUの基準をクリアしているCEマークの入ったもの。それにもかかわらず、基準を満たしていないマスクが売られていたというのです。
「CE」とは書かれていましたが、EU規定のCEではなく、「China Exportチャイナ・エクスポート」だったのです。
CEマークがチャイナ・エクスポートだとは、しばしば問題になりますが、事の重要性は、国家機関の使うものだったということ。そして、医療用の製品であるということ。
これ以外にも、マスクの不正取引があふれているようです。
マスクは、今、大きなビジネスですからね。
パンデミックの状況下、それを悪用する人の気が知れないです。。