イタリアの食習慣。日曜肉、金曜魚、木曜ニョッキ、月曜リゾット
イタリアでは、金曜日は魚を食べるという伝統があります。日曜日の定番は肉、「木曜ニョッキ・土曜トリッパ」という言葉があったり、 そして月曜日はリゾットと、曜日によって食事の習慣があります。
金曜日に魚を食べるのは、宗教的理由です。
イタリアはカトリックの国。
聖金曜日は、イエス・キリストが十字架にかけられた日で、その日は節制をし、肉を食べないのが伝統です。聖金曜日だけではなく、四旬節(復活祭前の40日(日曜日を含めると46日))は節制の期間ですので、敬虔な信者はその間も肉を食べません。
有名な「カーニバル(謝肉祭)」は、四旬節が始まる水曜日(灰の水曜日)の前日におこなわれる「肉に別れをつげる」宴のことです。
聖金曜日は、肉を食べないため、魚を食べることになります。
そして、毎週金曜日も、聖金曜日と同じく、魚を食べる習慣があります。
聖金曜日には、たいていのイタリア人は魚を食べますが、毎週金曜日の魚のならわしは、きちんと守られているわけではありません。
それでも、レストランでは、毎週金曜日に「本日のメニュー」が魚になるところも数多くあります。
聖金曜日の3日後の日曜日にイエス・キリストが復活したことを祝う復活祭には、肉を食べてお祝いします。したがって、毎週日曜日も肉を食べる習慣があります。
では、なぜ木曜日はニョッキなのか?
金曜日に肉を食べないので、その前日の木曜日はパワーをつける必要があり、その一方で、日曜日に肉を食べるため、贅沢は日曜日にし、木曜日は質素な材料でお腹いっぱいになる必要がある、ということでニョッキだそうです。
ニョッキの材料は、じゃがいもと小麦粉ですから、お腹もふくらみます。
木曜ニョッキの習慣は、戦後の習慣のようです。
木曜日のニョッキとセットになっているのが、土曜日のトリッパ。「木曜ニョッキ、土曜トリッパ」は、ことわざのような言い回しになっています。
なぜ、土曜にトリッパを食べるかというと、日曜日用の肉を用意するときに残る部分がトリッパ(胃)だったため、土曜日にはトリッパを食べることが習慣になったとのこと。
ではでは、なぜ月曜日にリゾットを食べるのか??
日曜日に肉をたっぷり食べるので、月曜日はライトにお米にする、ということで月曜日にはリゾットを食べるというわけ。
つまり、金曜の魚と日曜の肉は宗教的伝統で、「木曜ニョッキ・土曜トリッパ」と月曜のリゾットは、それに付随してできた習慣ということになります。
私は、月曜日にリゾットを食べるのを習慣化しているわけではないですが、ライトな食事にしたいなぁと思う日は、やっぱりリゾットを食べます。
リゾットとそのペアリングについての記事を書きました。
ご興味のあるかたはお読みください。
今日は月曜日。習慣化していないものの、最近パスタが続いているので、今日は軽めにリゾットです。