コロナに対応or非対応
コロナ禍、今までできなかったことができなくなり、それに対応するためのさまざまなサービスが生まれました。
日本では、ニューノーマルに対応するサービスがいろいろあるというのに、イタリアではなかなか進みません。
私は、「ナンニーニ」というメーカーのノンカフェインのコーヒーを飲んでいますが、それが手に入らなくなりました。
ナンニーニはシエナのメーカーで、フィレンツェでは売られていません。
今までは、シエナに行くついでに買っていたのですが、ソフトロックダウンでフィレンツェ市から出ることができなくなり、シエナにも行くことができなくなりました。
ナンニーニは、シエナに3店舗を構える老舗のバールで、コーヒー豆もオリジナルブランドとして出しています。
それなのに、オンラインショップがありません。
コロナ禍に対応して、電話オーダーやメールオーダーをしてくれてもいいのに、それもありません。
アマゾンなどを利用して販売するということもありません。
ほしいのに手に入れることができない状況になってしまいました。
ネットで探しに探して、ナンニーニのコーヒーを扱っているオンラインショップを見つけました。
いろいろなコーヒーを販売しているオンラインショップです。
いざ購入して、追跡番号が届いたら、商品はドイツから届くことが判明しました。
イタリア語のサイトでしたが、ドイツのオンラインショップだったのです。
ドイツではイタリアよりオンラインショップが発達しているため、イタリア語のサイトでもドイツから届くことがよくあります。
フィレンツェから60キロのところにあるメーカーのコーヒーが、はるばるドイツから届くという逆輸入になりました。
イタリアがいかにオンラインショップが発達していないか、ということを再確認させられました。
(便利な薬局オンラインショップやコスメオンラインショップも一部ありますが)
レストランの味を家で食べることができるデリバリーサービスも、フィレンツェではなかなか普及しません。
秋から飲食店は休業を余儀なくされていますが、テイクアウトやデリバリーは認められています。
でも、フィレンツェの飲食店オーナーたちは、デリバリーに消極的です。
ウーバーイーツなどのプラットフォームを利用すると「手数料が取られる」とネガティブな考えをもつ飲食店オーナーが多いのが事実です。
自分たちでオーダーを電話で受けて、自分たちで配達をしようとするのです。
デリバリーには、それなりのオーガナイズが必要です。個人のレストランでそれをしようと思っても、スムーズにいきません。
したがって、「数少ないデリバリーのために料理するなら休業したほうがいい」、ということになってしまいます。
(これは、フィレンツェの話。ミラノやローマでは、デリバリーもそれなりに普及しているようです。)
伝統的で保守的なイタリア人は、新しいことに手を出すのを嫌う傾向にあるので、急に訪れたパンデミックに対応できない、というか対応することを考えない人が多いのです。
これでは、イタリアは、コロナが終息するころには、経済破綻状態になってしまいそうです。