スパークリングワインの3種類の作り方
夏といえば、スパークリングワインが飲みたくなりますね。
シャンパン、カヴァ、フランチャコルタ、プロセッコなどスパークリングワインは各国にありますが、今日はスパークリングワインの作り方についてお話ししたいと思います。
スパークリングワインの作り方は、大きく分けて、3種類あります。
(1) 炭酸ガス注入方式
スティルワインに炭酸ガスを注入する方法で、一番安価な方法です。
この方法で作られたスパークリングワインは、コカ・コーラなどの炭酸飲料のように、泡の粒が大きく、泡がすぐ消えてしまいます。
飲むと、泡が舌を刺激する感じです。
(2)シャルマ方式
スティルワインを大きなタンクに入れて、二次発酵させる方式です。
二次発酵の後に、瓶詰めされます。
イタリアのプロセッコは、この方法で作られます。
泡は、比較的細かくなり、まあまあ持続します。
(3)メトド・クラシコ(シャンパーニュ製法)
シャンパンは、この方法で作られているので、シャンパーニュ製法ともよばれます。
第一次発酵の後、瓶詰めをし、酵母を加え、瓶内で二次発酵をします。
その時は、まだコルクはせずに、ビールの蓋のような蓋をしておきます。
瓶の口の方を下に向け、ななめに置いておきます。
そうすることによって、泡のもとになる二酸化炭素が発生し、ワインに溶け込みます。
毎日少しずつ瓶を回転させることによって、澱が、蓋の付近にたまっていきます。
これを「ルミュアージュ」と呼び、その昔は手作業で瓶を回していました。現在も、小さな作り手や、格上のスパークリングワインでは、手作業で瓶を回しています。
地道な作業ですね。
写真は、トレンティーノ・アルトアディジェ州のトレントDOCのワイナリーに行った時のもの。
大量生産される大手生産者のスパークリングワインは、大量の瓶を大きなカートに設置し、機械で回転させています。
カートは、こんな感じです。
これも、トレンティーノ・アルトアディジェ州のトレントDOCのワイナリーに行った時のもの。
ルミアージュの後、瓶の首の部分を冷却させて、栓を抜くと、気圧で、澱の部分だけが抜けます。この澱抜きの作業をデゴルジュマンといいます(イタリア語では、ズボッカトゥーラ)。
澱が抜けた分だけ、「門出のリキュール」と呼ばれる糖分を補充します。これは、たいていサトウキビ糖をワインに溶かしたものです。この補充のことをドザージュ(イタリア語ではドサッジョ)といいます。この糖分の量で、甘口か辛口が決まります。
そして、コルクをして完成です。
瓶内二次発酵されるスパークリングワインは、泡の数が非常に多く、泡の粒も非常に細かく、泡が長く持続します。
グラスのふちに泡が集まり、輪のようになります。この輪をイタリア語で「コローナ(冠の意)」といい、瓶内二次発酵されるスパークリングワインにしかできない泡の特徴です。
泡は、舌を刺激せず、なめらかに溶けます。
グラスを眺めていると、どこから泡が生まれてくるのだろうと不思議になるくらいグラスの底からどんどん泡が出てきます。
少し前、ドサージュ自体に話題が集まり、ドサージュの量についてよく語られていますが、ドサージュゼロがいいとか、悪いとかではないと思います。
ワインは、あくまでも好み。自分の好みのワインを楽しく飲めればいいと思います。
サルーテ~(乾杯!)