カステッリーナ・イン・キャンティのワイン祭りに行ってきました
キャンティクラシコ地方のほぼ真ん中に位置するカステッリーナ・イン・キャンティで、毎年、春におこなわれるワイン祭り「ペンテコステ・ア・カステッリーナ」というワイン祭りに行ってきました。
「ペンテコステ」は、五旬祭のことで、イースターの50日後の日曜日です。
イースターが移動日なので、ペンテコステの日も毎年変わります。
今年はイースターが4月21日と遅かったので、ペンテコステも遅く、6月9日でした。
イースターが3月末だと、ペンテコステの日も早くなるので、まだ涼しい気候だったりするのですが、今年は6月ということで、夏のよう日差しでした。
といっても、このワイン祭りは、中世の石造りのトンネルの中でおこなわれるので、ひんやりと涼しくて、ワインを飲むにはぴったりの気温でした。
カステッリーナ・イン・キャンティは、普段、ワイナリーツアーでよく行くので、なじみのある土地と、飲みなれているワインですが、この地区のワインが集中して飲めるので、飲み比べをようと、はりきって出かけました。
グラスを購入して(15ユーロ)、ブースを回るというワイン祭りおなじみのシステムです。
先週の日曜日、ラッダ・イン・キャンティのワイン祭りに行きましたが、そこでは、サンジョベーゼ100%や、サンジョベーゼにトスカーナの品種をブレンドしたものが特に秀でていて、テロワールを上手に表現している、いかにも「ラッダのキャンティクラシコ」という感じでした。
カステッリーナは、ラッダより強い酸味は出てこないゾーンですが、それにもかかわらず、メルローをブレンドしているところが多数ありました。
サンジョベーゼの酸味が、メルローの果実味でまろやかになり、飲みやすい味わいになりますが、テロワールをより重視するためにサブゾーンが注目されているなか、ちょっと残念でもありました。
その中でも、特に気に入ったのが、ブォンドンノのキャンティクラシコ・リセルヴァ。
スーパートスカーナですが、カステッラーレの「ソーディ・ディ・サン・ニコロ」は、トスカーナの品種だけで作られている傑作。
大手ワイナリーのワインは、味が安定していますが、小さな作り手は、年によって、その年の気候をかなり反映してくるので、それもワインの魅力。
セトリオーロは、親子で切り盛りしているワイナリー。
キャンティクラシコ2014年は少ししまりのない味わいでしたが、2015年はパンチのきいた複雑感のある味わい。
その年その年の出来を生産者と話すのも楽しい。
また、初夏には、白ワイン、ロゼワインが飲みたくなるもの。
トスカーナの白ワイン、ロゼワインも、質が向上してきました。
特にロゼは、今までは、色の濃いものが多く、いかにもサンジョベーゼで作ったぞ、という主張があるかのようなロゼだったのですが、醸しの時間が短いものが主流になってきました。
さわかかなロゼは、心地がよいです。
白ワインも、トスカーナの品種であるトレッビアーノとマルヴァジアで、しゃばしゃばしたデイリーワインを作るところは、もはや姿を消し、シャルドネやヴェルメンティーノが幅をきかせています。
ここは赤ワインの地なので、白ワインは、テロワールうんぬん語ることなく、プールサイドで飲めるようなものが素直においしいなと、この季節は思ってしまいます。
そんなワインが、マッツェイのヴェルメンティーノ。
このワイン祭り、時間は、15:00~20:00だったのですが、18:00くらいになると、かなりの人でした。
周辺のアグリツーリズモにとまっている人たちも、やってくるので、半数は、アメリカやヨーロッパの観光者です。
わいわいと地元のワインを飲んで、ハッピーな雰囲気につつまれるイベントです。