カンティーネアペルテ2019、行ってきました
5月最終日曜日は、「カンティーネ・アペルテ」。
ワイナリーが一般公開される日で、イタリア全土でおこなわれます。
カンティーネ・アペルテ参加ワイナリーで、蔵の見学と、ワインの試飲ができます。
予約なしで、気軽にワイナリーに行け、見学ができるといういい機会。
5月なので、季節もよいはずなのですが、今年の春は、ずっと寒くて雨の日が続いていて、当日もやはり雨。
時間の関係で、午後のみ出かけることになりました。
バローネ・リカーゾリに行きました。
数年前のカンティーネ・アペルテでも行ったのですが、その時は、試飲のみで、見学をしなかったので、今年は見学目的で、行ってきました。
リカーゾリといえば、キャンティクラシコを代表する生産者。
12世紀から続く、歴史ある貴族ファミリーですから、トスカーナ州では、ワインを飲まない人も、リカーゾリの名前は知っています。
1800年代、ベッティーノ・リカーゾリは、イタリアの首相にもなっています。
フィレンツェから1時間半のガイオーレ・イン・キャンティ地区に位置しています。
キャンティクラシコ地域に入ると、雨は降っておらず、ラッキー。
到着すると見学がちょうど10分後にあるということで、エノテカ(ワインショップ)内を見ながら、待っていました。
15人ほど集まって、見学開始。
蔵は、広いので、案内してくれるスタッフとくれぐれも離れないように、と注意されました。
1200ヘクタールの土地を所有、そのうちの240ヘクタールがブドウ畑になっていて、年間180万本のワインを生産しているだけあって、樽の数は圧巻。
瓶詰めする機会がある場所も、大規模で、蔵というより工場。
1872年に、ベッティーノ・リカーゾリが、キャンティクラシコのルールを作ったということは有名ですが、その当時は、トレッビアーノ・トスカーノと、マルヴァジア・ビアンカの2種類のトスカーナの白ブドウがブレンドされていました。
サンジョヴェーゼの酸味を白ブドウがおさえてくれるからという理由で、がぶがぶ飲めるワインが求められていた質より量の時代です。
当時は、リカーゾリでは、年間1200万本生産していたそうです!
今や、キャンティクラシコは、樽をきかせてパワフルな味わいのものも増えてきましたが、白ブドウのブレンドが禁止されたのは、2006年のヴィンテージから。
かなり最近の話です。
さて、見学が終わったら、試飲です。
3種類で5ユーロ。
試飲のワインは、ロゼ、キャンティクラシコ、キャンティクラシコ・リセルヴァの3種類でした。
ロゼは、サンジョヴェーゼ。
色は、ほんのりで、白ワインかと思うほどです。
トスカーナのサンジョヴェーゼのロゼは、個人的には、あまり好きではないのですが、これはデリケートで好きだったので、お買い上げ。
キャンティクラシコは、メルローとカベルネソーヴィニヨンがブレンドされているだけあって、インターナショナルな味わい。
サンジョヴェーゼの酸味を気にすることなく、だれにでも受け入れられやすい果実味たっぷりの味わい。
リゼルヴァは、より複雑で、ボディもしっかりしていてスパイス香が広がります。
これも、メルローとカベルネソーヴィニヨンがブレンドされています。
グランセレッツィオーネが、さらに有料で試飲できるということで、「カステッロ・ディ・ブローリオ」と、「チェーニプリモ」を試飲しました。
「カステッロ・ディ・ブローリオ」グランセレッツィオーネは、カベルネソーヴィニヨンとプティヴェルドが5%ずつブレンドされていて、骨太でどっしりした感じ。
「チェーニプリモ」は、単一畑のグランセレッツィオーネで、サンジョヴェーゼ100%です。
こちらは、バルサミックなニュアンスで、エレガント。
個人的には、後者の方が好きでした。
見学と試飲を終えると、雨もやんでいたので、エノテカのさらに上にあるカステッロ(お城)まで、のぼっていき、周囲を散歩。
携帯電話の電波も入らない森の中を抜けると、お城がそびえたっています。
キャンティクラシコは、ワインの産地とはいえ、8割は森ですから、自然が多いです。
その中でも、ここは、自然が手つかずで残っている森の深さ。
リスもちょろちょろ出てきました。
見学、試飲、散歩で2時間あまり。
帰りの道のりも1時間半。
フィレンツェに帰ってくると、やはり雨が降っていました。
フィレンツェでは雨でも、キャンティクラシコに行くと、雨が降っていないということはよくあるのですが、やはりワイン産地は雨が少ないです。
毎年、3軒は回るのですが、今年は1軒だけ。物足りないカンティーネ・アペルテになるかなと思いましたが、その分、ワイナリースタッフにもいろいろ質問して、話を聞けたのと、試飲もゆっくりコメントをしながらできたので、内容の濃いカンティーネ・アペルテになりました。