イタリアのワイナリー・オープン・デー。残念だったキャンティ
5月最終日曜日は毎年恒例のイタリアのイベント「カンティーネアペルテ」。
カンティーネアペルテとは、ワイナリーオープンという意で、イタリア中のワイナリーが一般公開され、蔵の見学やワインの試飲ができるというイベントです。
昨年はソフトロックダウンが解除された直後だったので、参加したワイナリーも少なかったのですが、今年は感染予防の規則はすべて解除されたため、参加ワイナリーも多数。
ただ、ほとんどのところが予約制となっていて、「オープン」とはあまりいえない感じですが、しかたがないです。
数年前まではどこも無料で見学、試飲ができましたが、今年はほとんどのところが有料。これもまた「オープン」ではないような気がしますが、人数を制限するために必要なのでしょう。(普段から有料で見学と試飲はできますので、人が集まるイベントの日にわざわざ行かなくても、好きな日程で行くほうがベターということにもなりかねないため)
せっかくのイベントの日なので、普段は行くことがないマレンマ(南トスカーナ)の遠いワイナリーへ行こうとはりきっていましたが、イベント3日前に予約をしようとしたら、すでに予約がいっぱい😨
出遅れました。。。
いっきにテンションが下がり、近くのワイナリーへさっと行くだけでいいや、となりました。。。
近くといえば、キャンティ。
その中でも、フィレンツェから30分ほどで行くことができるキャンティ・ルフィナ地区にあるマルケージ・ゴンディへ行くことにしました。
なぜここに行こうと思ったかというと、もう18年前になりますが、マルケージ・ゴンディのキャンティ・リゼルヴァを飲んで、おいしかったことを覚えていたから。ワイナリーへは行ったことがなく、この機会に訪れることにしました。
マルケージ・ゴンディといえば、フィレンツェでは有名な貴族です。シニョーリア広場にマルケージ・ゴンディの宮殿があります。グッチガーデン(旧グッチムゼオ)がある建物です。
キャンティの田舎は緑が美しい季節。
ブドウの木もすくすくと育っています。
イベントの日ということもあり、たくさんの人が訪れていました。
30分おきくらいに見学ツアーが組まれていて、私のグループは10人ほどでした。
オーナー自らが案内してくれて、ファミリーのストーリーを熱く語ってくれました。
美しいヴィラ↓
キャンティ・ルフィナも歴史ある地区であるため、キャンティの説明も詳しくしてくれました。その後、蔵の中でワイン造りの工程を見学。
蔵の見学の後、外の緑の中で試飲。
外で飲むワインは気持ちがいいです。
試飲は、白ワインと赤ワイン1種類ずつ。
ワイナリーツアーでは、見て、聞いて、味わってと五感をともなうため、感情的な部分がとても重要だと思います。
ワイナリーの人の人柄、説明の内容、蔵の雰囲気、そしてワインを飲んで「おいしい!」と思った瞬間に「これ買おう」となります。
スーパーやワインショップでワインを選ぶときとは異なります。ワイナリーでは感動があるのです。
残念ながら、今回は感動がありませんでした。
キャンティの詳しい話をせっかくしてくれたのに、試飲に出てきたワインはキャンティではなかったからです。
熱く語ってくれた話と試飲のワインが異なっていて、ワイナリーの人には申し訳ないですが、テンションが下がってしまいました。
試飲のワインは、もしかして、万人受けする味わいとか、売れ筋のワインとか、いちおしワインとか、ワイナリー側のおもわくがあって選ばれたのでしょうが、まったく説明がなかった白ワインとメルロー種のワインは感動を与えてくれませんでした。
以前飲んでおいしかったキャンティ・リゼルヴァを買えばよかったのですが、試飲したときはテンションが下がりすぎて、ほかのワインを買おうということも思いつきませんでした。
スーパーやワインショップなら試飲しないで買うのが当たり前ですから、味がわからなくても購入します。それに対し、ワイナリーツアーはわざわざ現地まで足を運ぶのですから、試飲しておいしいと思ったものを買うのが常です。それもあって、試飲していないワインを買おうということにもならなかったのです。
キャンティの地区なのにキャンティのワインの試飲がないと思ったのは私だけではなく、「キャンティは試飲できないのですか?」と聞いている人がいました。
せっかくたくさんの人にワイナリーを知ってもらうことができるイベントなのですから、フラッグシップワインを宣伝すればよいのにと思うのですが。。。
テンションが下がったまま、なにも買わずにワイナリーをあとにしました。
家に帰ってきてから、試飲してなくてもやっぱりキャンティを買えばよかったな、と後悔しました。
でも、美しい景色と、歴史ある蔵を見ることができたので、よしとしました。