イタリア、トレンティーノのスプマンテ「トレントDOC」
今まで、イタリア各州のDOCGのワインと、DOCGの無い州をご紹介しました。
トレンティーノ・アルトアディジェ州は、DOCGのワインは無いのですが、瓶内二次発酵のスパークリングワイン「トレントDOC(ドック)」は、取り上げる価値があるので、クローズアップしたいと思います。
イタリアのスプマンテ(スパークリングワイン)の顔になっている「フェラーリ」。
これは、トレントDOCです。
「フェラーリ」という名前が有名すぎて、トレントDOCであることがあまり意識されていませんが、トレントDOCを代表する生産者です。
トレントDOCは、「山の泡」と呼ばれています。
トレンティーノのブドウ畑は、1万ヘクタールで、イタリア全体のブドウ畑の約2%。
ここで、年間約700万本、イタリアのスプマンテの約8%を生産しています。
「山の泡」と呼ばれるだけあって、トレンティーノは、とにかく山、山、山。どこを見ても山です。
ブドウ畑は、標高800メートルのところまでありますが、山ゆえ、昼夜の温度差があり、それがブドウにきれいな酸を与えてくれます。
そして、山のミネラル感。
この酸とミネラル感が大好きで、イタリアのスプマンテといえば、私は断然トレントDOC派。
トレントDOCは、シャルドネまたは、ピノ・ネーロ、ピノ・ビアンコ、ピノ・ムニエを使うことができます。
さらに、メトド・クラシコと呼ばれる、いわゆる、シャンパーニュ方式で作られます。シャンパーニュ方式とは、瓶内二次発酵で、瓶の中で二次発酵されます。
瓶内でゆっくり発酵し、その後、瓶内で熟成しますので、きめの細かい泡ができます。
トレントDOCは、「白」と「ロゼ」に分かれます。
さらに、澱熟成期間により、「ブリュット」「ミレジマート」「リセルヴァ」があります。
ブリュットは最低15か月、ミレジマートは最低24か月、リセルヴァは最低36か月の澱熟成が必要です。
また、ドサージュ(糖分量調整)の量により、下記のように分類されます。
パ・ドゼまたはノン・ドザート 1リットル当たり糖分3g以下
エクストラ・ブリュット 1リットル当たり糖分0g~6g
ブリュット 1リットル当たり糖分12g以下
エクストラ・ドライ 1リットル当たり糖分12g~17g
ドライまたはセック 1リットル当たり糖分17g~32g
デミ・セック 1リットル当たり糖分32g~50g
この分類は、シャンパンと同じです。
(ただし、シャンパンには、50g以上の「ドゥー」があります)
下記の写真は、フェラーリに行った時のもの。
瓶が壁いっぱいに並んでいて、圧巻です。
トレントDOCを飲むと、トレンティーノの山の芝生を思い起こさせるみずみずしい山の香りがします。
トレントDOCは、食前酒や乾杯だけではもったいない!
ぜひ食事と合わせて、食中に楽しんでみてください。