ワイン祭り「ラッダ・ネル・ビッキエーレ」に行ってきました
ワイン祭り「ラッダ・ネル・ビッキエーレ」は、ラッダ・イン・キャンティで、この時期におこなわれる定番のイベント。
今年は6月1日、2日におこなわれました。
ここ3年間、他のワインイベントが同じ日に重なり、行くことができなかったため、4年ぶりの「ラッダ・ネル・ビッキエーレ」。
グラスを購入(20ユーロ)して、好きなだけブースを回り、ワインを試飲することができます。
さらに5ユーロ払うと、オールドヴィンテージのブースでも試飲ができるという企画もあったので、これも追加。(一番上の写真がオールドヴィンテージのブース)
ラッダ・イン・キャンティは、キャンティクラシコの中でも標高の高いところに位置するため、果実味の中のきれいな酸のエレガンス、それでいて、腰のすわったしっかりとした味わいとなり、大好きです。
さっそく、端のブースからひとつずつ試飲。
サンジョヴェーゼに、メルローやカベルネ・ソーヴィニョンをブレンドして、まろやかな味わいにする流行は落ち着き、土着品種への回帰が主流になった現在、サンジョヴェーゼ100%、もしくは、カナイオーロを5~10%ブレンドしているところが多く、「ラッダ・イン・キャンティのキャンティクラシコ」らしいキャンティクラシコが味わえて、うれしい限りでした。
キャンティクラシコは、広範囲に渡るため、サブゾーンを明確化しようという動きが、ここ数年、話題になっています。
約7万ヘクタールにおよぶキャンティクラシコの地域に、約7000ヘクタールの畑が広がりますが、北のサンカッシャーノのキャンティクラシコと、南のカステルヌォーヴォ・ベラルデンガのキャンティクラシコは、まったく別ものです。
それをひとまとまりにするのも、消費者だってわかりにくいですし、生産者だって、自分のテロワールを消費者に伝えたいと思っています。
サブゾーンの話が出てきたのは、生産者側のこだわりも高くなって、消費者側の舌も研ぎ澄まされてきたという成り行きなのでしょう。
サブゾーンのキャンティクラシコをいっきに試飲できるこのようなワイン祭りは、そのゾーンを知る絶好の機会。
生産者と話ができるのも、イベントならでは。
モンテヴェルティネのペルゴレトルテはさすが。
カステッロ・ディ・ダルボラは、洗練されていて、大手の力が発揮されています。
ブランカイアは、パワフルで華やかな印象。
マレンマの白や、マレンマのカベルネなどもそろえていました。
個人的には、手作業の温かみが伝わってくるカステルヴェッキも好き。
会場の目の前では、畑と森の広がる丘が一望できます。
この丘に、ラッダ・イン・キャンティの9割の作り手の畑があります。
中世の村の中で、畑のパノラマを眺めながら、オープンエアで、澄んだ空気を吸って、ワインが飲めるので、まじめな試飲というよりは、わいわい楽しむイベントです。