メディテーションワインとは
先日、オンラインワイン会で、メディテーションワインを紹介させていただく機会があったので、メディテーションワインについて書きたいと思います。
「メディテーションワイン」とは、イタリアで生まれた言葉です。
有名なワイン評価本「ヴェロネッリ」の創刊者であるルイジ・ヴェロネッリ氏(1926~2004年)が、言った言葉です。
イタリアでは歴史的に、ワインは食事をしながら飲むもので、ワインを単独で飲むということは基本的にありません。
以前は質より量だったワインが、現代になって量より質になり、品質の高いイタリアワインも多くなりました。
質の高いワインは、ワイン単独で飲んでもおいしいです。
むしろ、ワインの味わいに集中できて、ワインそのものを楽しむことができます。
それを言ったのが、ヴェロネッリ氏です。
彼が言ったことは、
冬の夜、食後に、ゆっくり、暖炉のそばに座って、スペシャルなワインを、ワインだけで、少しずつ飲む
です。
「暖炉のそば」というのは、イタリアではもっともリラックスする場所のたとえです。パチパチと燃える火を見ながら、ソファーにすわってゆっくりするというのは、最高のリラックスタイムなのです。
「冬」というのは、イタリアでは、夏は暗くなるのが21時すぎるので、夜静かにワインを嗜むのは冬向きだからだと思われます。
彼は、デザートワインである甘いワインを最初は意図していたようですが、偉大な赤ワインもメディテーションワインとなります。
メディテーションワインという言葉が知られるようになり、意味も広がってきました。
暖炉がなくても、冬でなくても、楽しむことができます。
甘いワイン、赤ワインだけでなく、シャンパーニュもメディテーションワインになりえます。
メディテーションで呼吸に集中するように、ワインに集中するのです。
ワインに集中して、グラスから広がるワインの世界を楽しむ!
楽しみ方は自由です。
私は、このメディテーションワインがとっても好きです。
夕食後、ソファーにすわって、ワインだけ味わいたいな、という気分の時に楽しみます。
私の場合は、たいてい赤ワインです。
やはり赤ワインは香りが複雑なので、いろいろなニュアンスを感じることができます。
目を閉じて、ワインに集中します。
たとえば、森の香りがすると、森にいるような場面を思い浮かべます。
そして、熟したイチゴやチェリーの香りがすると、それらをカゴいっぱいに摘んで森の中をさまよいます。
というように、香りからいろいろと想像します。
そして、ワインを味わって、今想像した世界を確認する、みたいな感じです。
1杯飲むだけで、心も満たされ、すごくリラックスします。
これは、私のやっている方法なので、楽しみ方は自由です。
日本ではまだまだ知られていないメディテーションワイン。
お気に入りのワインや、香りのいいワインでぜひ試してみてください。