キャンティクラシコには、どうして黒の鶏が付いてる?
イタリアの赤ワイン、キャンティクラシコ。
キャンティクラシコのボトルに、必ず付いている黒い鶏のマーク。
ボトルの裏に付いていたり、ボトルの首にシールが貼ってあったり、DOCGの格付けシール内に付いていたりしますが、キャンティクラシコを名乗るワインには、必ずこの黒い鶏が付いています。
この黒い鶏、何なのでしょうか?
これは、キャンティクラシコ協会のロゴで、キャンティクラシコのワインだけが、このロゴを付けることができます。
「キャンティクラシコ」は、「キャンティ」とよく混同されがちですが、キャンティクラシコは、フィレンツェからシエナの間の地区で作られ、キャンティは、その周りの広い地域で作られます。キャンティには、黒い鶏は付きません。
では、なぜ黒い鶏なのでしょうか?
これにはおもしろい伝説があります。
フィレンツェとシエナがまだ別々の国家だった中世、フィレンツェとシエナの境界線を決めるために、それぞれ一番鶏が鳴いたときに騎士がスタートし、出会った地点を境界線としようと決めました。
シエナは白い鶏を、フィレンツェは黒い鶏を選びました。
フィレンツェ側の黒い鶏は、エサを与えられず、おなかが空いて朝早く鳴きました。
一方、シエナ側の白い鶏は、通常通り鳴きました。
したがって、フィレンツェ側の騎士は、シエナ側より早くスタートしました。
当然、境界線は、よりシエナの近くになり、キャンティの地方はほとんどはフィレンツェ共和国の支配となりました。
フィレンツェを勝利に導いた黒い鶏がキャンティクラシコのシンボルとなったわけです。
境界線になったのは、カステッリーナ・イン・キャンティ村の付近。
このカステッリーナ・イン・キャンティは、キャンティクラシコのサンジョヴェーゼ種にとって、とてもよい条件のなだらかな丘が続きます。
先日、キャンティとキャンティクラシコの違いを書きましたが、それらの違い、黒い鶏からでも判断できますね。