フードとワインのイベント「Food & Wine in Progress」に行ってきました
毎年12月にフィレンツェおこなわれる「Food & Wine in Progress」のイベント。
今年は11月30日と12月1日におこなわれました。
会場は、これもおなじみのレオポルダ。
広い会場なので、人がひしめき合うこともなく、ゆっくりイベントが楽しめます。
イベントは、文字通り、フードとワイン。
フードは、オリーブオイルや、チーズ、ハム、お菓子などのブースが出て、試食をしながら購入もできるというもの。(ただし試食はほんのちょっとなので、有料でパニーノなどを楽しめるところもあります)
クッキングショーや試食会もあり、かなり盛り上がりを見せていました。
ワインは、「Eccellenza Toscana(エッチェッレンツァ・トスカーナ)」のスペースになっています。
Eccellenzaはエクセレントという意味で、イタリアソムリエ協会に評価されたワインの生産者のブースがそろうというもので、優良なワインばかりが並ぶので見逃せません。
数年前までは、「Eccellenza Toscana」だけで、単独のイベントがありましたが、現在は「Food & Wine in Progress」に組み込まれています。
ゾーンごとではなく、アルファベット順に並んでいたブースは、少々わかりにくかったですが、とりあえず、端から見ていくことにしました。
イル・ボッロ
スーパートスカーナでおなじみのボッロですが、ロゼがあったので、試飲してみることに。
サンジョヴェーゼのロゼだとわかる、小さな赤の果実のニュアンスたっぷり。
フレッシュ感があり、食前酒によさそうです。
ボッロのブースにいって、「イル・ボッロ」を試飲しないわけにはいきません。
メルロー50%、カベルネソーヴィニヨン35%、シラー15%のしっかりした骨格のパワーのある味わいは、やっぱりスーパートスカーナ。
カステッロ・ディ・モンテポ
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの生みの親「ビオンディ・サンティ」の、マレンマ地方(南トスカーナ)のワイナリー。
本家本元のモンタルチーノのビオンディ・サンティは、所有がフランス人の手に渡ってしまったので、「残念です」と伝えたら、「つらかった」という答えが返ってきました。
私には想像を絶するような苦悩だったのだろうな、と思いながら、ワインに目を移しました。
ここでもロゼがあったので、試飲。
サンジョヴェーゼ100%。
エチケットの「J」は、ヤコポ(Jacopo)・ビオンディ・サンティのJですね。
ブランド力のある人は、イニシャルだけでロゴになってしまうんだー、とそんなところで感心してしまいました。
濃いめの色で、さくらんぼのようなニュアンスがあり、食中酒としても楽しめそうです。
続いて、
Sassoalloro Rosso Toscana IGT 2016
Morellino di Scansano DOCG 2017
Braccale Toscana Rosso IGT 2011
Schidione Toscana Rosso IGT 2011
を試飲しましたが、どれも共通していえるのが、エレガントさ。
「さすがビオンディ・サンティ」と言ったら、満足気でした。
フィレンツェからだと、2時間半から3時間はかかりますが、ぜひ行ってみたいと思いました。
テヌーテ・ルネッリ
また有名な名前が目に入ったので試飲してみることに。
「ルネッリ」は、かのフェラーリ(トレントDOCのスプマンテ)のオーナーファミリーです。
ピサの近くということで、海側です。
「山のスプマンテ」と呼ばれるトレントDOCとは、地理が正反対。
「なんでまたトスカーナでルネッリがワイン造りを??」と聞いたところ、「赤を作りたくて、でもキャンティには行きたくなかった。この地は赤のポテンシャルがある」ということでした。
なるほど、すべてIGTの格付けです。
Aliotto Toscana Rosso IGT 2017
サンジョヴェーゼとカベルネソーヴィニヨン、メルローのブレンドで、果実やハーブが感じられるフードフレンドリーなワインでした。
Teuto Costa Toscana IGT 2016
これも、サンジョヴェーゼ、カベルネソーヴィニヨン、メルローのブレンドですが、こちらはフルボディでコーヒーなどのスパイス香のインパクトのあるワイン。
個人的には香りも味わいも強すぎる印象でした。
Auritea Cabernet Granc Costa Toscana 2016
カベルネフラン100%のワインで、まだまだかたい感じ。
ビオでやっていて、どれもきれいなバランスがあるのかと思いましたが、ハッとするワインではなかったです(えらそうですが、あくまでワインの好みの意見です)。
大手ももちろんありましたので、アンティノリへ。
リースリングがあったので、興味深く聞いてみると、フィレンツェから10キロたらずのフィエーゾレに畑があるとのことでした。
フィエーゾレは、小高い丘になっていて、標高が300メートル前後なので、たしかにワイナリーもあります。そこでアンティノリがリースリングを作っているとはおどろきです。
味わいはというと、、、
ドイツや北イタリアのリースリングとは、まったく別ものでした。
別の品種かと思うくらい香りも味わいも異なり、またまたおどろき。
アロマティックな香りや、独特の甘みがなく、トレッビアーノやマルヴァジアをふくよかにしたような味わいでした。
これはこれで、トスカーナの前菜にはあいそうです。
ついでに、キャンティクラシコ・リセルヴァ2016、Tenuta Guado al TassoのCont’ugo 2017、Bortosecco 2017も試飲。
ちょっとインターナショナルな味わいすぎる感じがしますが、大手の安定感があります。
アンティノリと並ぶ大手のフレスコバルディ。
ロゼがあったので、ロゼを試飲。
イル・ボッロもそうでしたが、フレスコバルディもマグナムボトル。
イタリアでは、国内も輸出もロゼの人気が上がっているので、どこもロゼに力をいれているのかな。
シラーとヴェルメンティーノのめずらしいブレンド。
ヴェルメンティーノのミネラル感が出ていて、シラーのしっかりさが感じられる白と赤のバランスのよいハーモニーでした。
ついでにカステル・ジョコンドのブルネッロ・ディ・モンタルチーノも試飲。
やはりこれも安定しています。
もちろんブルネッロは大好きですが、もう少し特徴が出ているブルネッロの方が好きです(個人的な意見です)。
キャンティクラシコ、モンテプルチアーノもいくつか試飲しましたが、割愛して、ブルネッロへ。
フランコ・パチェンティ
2020年2月にお披露目になるブルネッロ2015年を持ってきていて、リリース前に試飲することができました。
2014年は、雨が多く、ブルネッロの力強さにかけたヴィンテージでしたが、2015年はよい年だったということで、かなり期待できそうです。
すでに、複雑感のあるポテンシャルの感じさせる味わいで、来年2月の試飲会「ベンヴェヌート・ブルネッロ」が楽しみです。
ドナテッラ・チネッリ・コロンビーニ
ここも、ブルネッロ2015年を持ってきていました。
またまた個人的な好みですが、ブルネッロは、南のゾーンより、北~中央の地区のエレガントさが好きなので、ここも北の地区。
特に、女性が作っているブルネッロだけあって、やさしい感じがあります。
スペシャルゲストとして、ポルトガルのマデラのワイナリーがいくつか来ていました。
普段、マデラは飲む機会がまったくなく、日本で飲んだくらいです。
ワインの試飲の後に、マデラに行くのは、みんな同様。
最初は空いていたマデラブースは、終了時刻近くなると、最後をマデラでしめようと人でいっぱい。
人の間をかきわけながら、辛口から甘口まで、違いを味わいながら、試飲。
途中、フードブースに移動して、チーズやハムの試食をしつつ、今年最後の試飲会をしめくくりました。